今日の午後、私の住む町のとある小学校へ、教職員対象で「発達障害児の障害特性とその支援方法」という題目で講演を行なってきました。この講演活動、町の教育委員会からの依頼で町内の各学校を回るというもので、今日は3校合同での開催で参加者は30名を越えました。
今年度最後の学校で、話してきた学校数はこれで9校となります。
内容は3部構成で、①わが子の障害の受容から現在まで ②発達障害の障害特性と支援の仕方 ③自閉症疑似体験 という内容で90分間のお話となりました。みんな真剣に聞いてくれて有難かったです。
やっぱり盛り上がったのは疑似体験コーナーで、今日もお約束の3点セット「シングルフォーカス」「ガンダラムジムジ」「手先の不器用体験」を用意していきました。
「シングルフォーカス」体験では、前振りとして視覚支援がどんなに有効なのかも感じていただきました。まず体験いただく方の選抜に動物の絵カードを渡し、「前に出ていすに座ってください」と声を掛けます。いすには絵カードと同じ動物の絵が貼り付けてあります。すると当然のことですが、同じ絵のところに座ります。私は「どうしてこのいすに座ったんですか?」と聞きます。皆さん口をそろえ
て「絵が同じだから・・・」と答えます。
しめしめとばかりに私「でも私は一言も同じ絵のいすに座ってくださいとは言ってませんよね。これはいちいち説明しなくてもいい環境、つまり構造化の一つの例なんです。相手にとってわかりやすい環境を作るのは、そんなに難しいことではないんですよ。」と偉そうに語ってきました。皆さん納得してくれて一安心。
いよいよ本題、今日は校長先生を探してもらいましょう。ペットボトルを半分に切ったものを使って、自閉症の人の見え方を体験してもらいました。感想は「非常にみにくかった」「口の部分だけがはっきり見えるので、その部分が余計強く見えるように感じた」等々・・・。これまた予定通りのお答えで、自閉症の人の見難さを解って頂けたようです。
お次は「ガンダラムジムジ」です。今回の餌食は若い男性の先生でした。 この先生には、いったん部屋から出てもらい、皆さんにネタ明かしをします。「これから、今出ていただいた先生に、机にいすを入れて下さいとお願いします。ただし言葉としては「ガンダラムジムジ」としか発しません。言われた先生がどのような反応をするのか見ておいてください。」
入室してきた先生、私の「ガンダラムジムジ」に戸惑い、困った様子。そこで私がいすの絵
を見せると、その先生は「座ればいいんですね」と言いながら腰掛けます。そこで私は、すかさずバシッと一叩きしながら「ガンダラムジムジ!」と、声を荒げながら机にいすを入れる絵を見せます。すると先生「あ~、そういうことか」と机にいすを入れます。無事出来ました。
ここでは、自閉症の人たちの「言われていることが解らない辛さ」を感じてもらいました。イメージとして、言葉も文化も解らない国に行ったことを想像してみて下さい。自閉症という、我々と違った文化の彼らに、我々の文化を押し付けることは、結果的にとても辛い思いをさせてるんですよ。この体験も大成功でした。
そして最後に「手先の不器用さ」を体験してもらいました。軍手をはめて1分間でワイシャツのボタンかけをしてもらいます
この体験は不器用なことの辛さと同時に、せかされたり多くの声かけがいかに辛いものなのかを感じてもらうのが狙いでした。
「何やってるの!」「早くしなさい!」「グズだねぇ!」など、ひどい言葉で参加者を追い込む私、いやな奴です。1分でボタンかけが完了した人はいませんでした。皆さんの感想は「いらいらした」「ひどいことを言われて腹が立った」など・・・。
「じゃあ、もう一回やってみましょう」ということで、再度チャレンジ。今度は声かけも少なめに、やさしく、励ますようにしました。「頑張って」「あわてなくていいよ」「出来ないところは言ってね」など、今度はいい人を演じました。結果的に、一度体験していることと、優しい声かけの効果で、一回目よりも多くのボタンがかけられている人が多かったです。
「私達が何気なく子供たちに発している言葉は、結果的にひどいことを言っていることもあるんですよ。発達障害のある子は、一生懸命頑張っても出来ないこともあります。そこを意識してあげてください」とお願いしてきました。
最後に私から次のようなお願いをしてきました。「学校というのはひとつの地域社会だと思うんです。その中で、先生達がサポーターになるかどうかで、子供たちの学校生活も大きく変わってくると思います。先生というのは子供たちからすると非常に特別な存在です。ある意味家族よりも多くの時間を過ごすわけですから。どうか、子供たちのサポーターになってあげてください」と。
講演後、多くの先生から「大変勉強になった」「目からうろこでした」など、うれしい評価を頂きました。それを聞いて、やらせて頂いてよかったと思いました。今回の場をセッティングしてくれた教育委員会のK先生、本当に有難うございました。また何かお役に立てることがあったら声を掛けてください。
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